1−2−3 調査項目

調査は以下の3段階に分けて行う。

(a)予備調査

1)文献資料収集・整理

調査地域について,地形・地質・断層等に関する文献や遺跡発掘調査の記録を収集し,整理・分析を行い,京都西山断層群の位置・活動性及び地形地質状況の概略を把握し,それらの成果をまとめた。

2)空中写真判読

調査地域について空中写真による判読を行い,沖積面・段丘面の細分と対比,断層変位地形,地すべり・崩壊地形等の抽出・分類を行い,地形分類図および空中写真判読図を作成した。

3)地表踏査

地表踏査では,断層露頭・変位地形の有無や性状等について観察し,断層を追跡しながら調査を行った。断層露頭については詳細なスケッチを行った。

(b)第1次調査

1)物理探査(P波反射法探査)

京都西山断層群について,推定される断層線をまたぐ測線で反射法探査を行い,地下構造を明らかにし,変位の有無と量と変形構造を把握した。

2)ボーリング調査

地下の地質状況と断層の累積変位量を把握するために,推定される断層線を挟んでボーリング調査を行い,ボーリングコアから年代測定等の試料を採取し,総合的な分析を行った。

(c)第2次調査

1)トレンチ調査

京都西山断層群の活動履歴に関するデータを得るために,断層通過推定地点にてトレンチ掘削調査を行った。トレンチ法面を詳細に観察し,スケッチを行うとともに,年代測定等の試料を採取し,総合的な分析を行った。

2)総合解析

本調査で得られた資料を総合的に解析し,断層の性状や活動履歴について考察を行い,評価した。なお,総合解析作業は,下記の活断層調査委員会による指導の基に推進し,とりまとめを行った。