(2)活動履歴

八栄東地区におけるトレンチ調査結果、トレンチ内に堆積している約40,000年以降の堆積物には、断層による変位は確認できなかった。主断層がトレンチ北側を通過している可能性が残っているが、仮に断層の通過位置がトレンチ内であれば、少なくとも40,000年前以降は、この付近で断層運動が発生していない可能性が高い。一方、植村ほか(2000)によって活動履歴が報告されている日吉町旧世木林地区では、最新の活動が約2,000年前となっており、両者に大きな隔たりが見られる結果となった。

また、殿田断層西部の曽根地区や中台地区で実施したボーリングおよびピット調査では基盤面の段差が確認され沖積時代に断層運動が発生した可能性もあるが、断層の活動時期および基盤の段差と断層運動との関係に関する具体的な証拠は得られなかった。