(2)詳細調査候補地点の絞り込み結果およびその根拠

@ 殿田断層

殿田断層では、既往の調査として、日吉町の世木林、八栄、志和賀の3地区でトレンチ調査が実施されている。しかし、それらの調査から得られた断層の活動履歴には食い違いが生じており、その活動実体には不明確な点が残されている。このことから、殿田断層では、世木林地区における既存調査で明らかになっている最新活動年代と活動周期が、世木林地区より西方にもあてはまるかどうかの確認(ボーリンク、ピット、トレンチ調査)を行い、さらに、既存調査結果と空中写真判読や地表踏査によって推定される断層通過位置の確認(高密度電気探査による地下構造調査およびボーリング、ピット調査)することを主眼においた。

この目的に基づいて、本調査では、最新活動の痕跡が残っている可能性がある沖積堆積物が厚く堆積している、八栄地区、八栄東地区、曽根地区、中台地区の4地区において、最新の活動時期と活動履歴を特定し、既往の調査結果との関連性を明らかとすることを目的とした。また、地表からの調査では確認できなかった基盤や堆積物の形状を把握するために高密度電気探査を実施し、断層による変位量を推定することを目的とした。

A 三峠断層

三峠断層は、「新編 日本の活断層」では、福知山市東部から日吉町四ッ谷付近までの、延長30kmの活断層(確実度T〜V)として記載されている。しかし近年発行された「近畿の活断層」では、瑞穂町質志のみずほトンネル北方から、日吉町の高屋川西岸付近までの約8kmの区間が、活断層(確実度T〜V)として抽出されている。この違いは、確実度の捉え方の違いにも起因するが、「近畿の活断層」で活断層とした部分以外では、新期の地形(高位段丘)が変位を受けていないことが大きな理由となっている(近畿の活断層による)。そのような中で質美地区では、断層露頭と断層に沿ったリニアメントが明瞭であり、断層運動による高位段丘の変形や河川の屈曲も確認されている。さらに、過去にも断層露頭の調査やトレンチ調査がおこなわれているが、断層露頭位置とリニアメントが直線上に連続しないなど、調査結果の統一した見解が不十分であった。よって本調査では、この質美地区において、付近の断層変位地形と過去に実施されたトレンチ調査、断層露頭との関係を明らかにし、三峠断層の活動形態を再検討することを目的とした。