「植村（１９８８）」は変位地形や断層露頭などの報告から、平均変位速度は０．１８〜０．３７ｍ／１０００年で、活動度はＢと報告した（表３−１）。「植村ほか（２０００）」は、日吉町の世木林地区においてトレンチ調査を実施し、過去１１，０００年間に３回（１，９５０〜２，３１０ｙｒＢＰ、５，５００〜７，４９０ｙｒＢＰ、８，５００〜１０，７１０ｙｒＢＰ：平均再来周期約３，７４０年）の活動があることを報告した（図３−４、図３−５、図３−６、図３−７）。また、「吉岡ほか（１９９９）」、「地質調査所（１９９９；未公表資料）」は、八栄地区、東組地区でトレンチ調査を実施し、最新の活動は３０００年前以前とした（図３−８）。

これらの調査から得られた断層の活動履歴には食い違いが生じており、その活動実体には不明確な点が残されている。

図３−２　「新編 日本の活断層（１９９１）」による調査地域周辺

図３−３　「近畿の活断層（２０００）」による殿田断層周辺と活動評価

表３−１　「植村（１９８８）」による殿田断層の活動度

図３−４　「植村（２０００）」による世木林地区平面図

図３−５　「植村（２０００）」による世木林地区断面図

図３−６　「植村ほか（２０００）」による世木林地区のトレンチスケッチ１

図３−７　「植村ほか（２０００）」による世木林地区のトレンチスケッチ２

図３−８　「吉岡ほか（１９９９）」による東組地区のトレンチスケッチ（ｗ面）