(1)地形地質調査

@文献調査

調査地域周辺の既存調査資料や空中写真、既存地形図などを収集し、検討をおこなった。収集した資料を表2−1に示す。

 

表2−1既存文献一覧表

A空中写真判読

収集した空中写真を用いて、「新編 日本の活断層」、「近畿の活断層」に記載されている殿田断層と三峠断層の分布範囲を中心として、変位地形の抽出と段丘区分をおこなった。使用した空中写真の一覧を表2−2−1表2−2−2に示す。

表2−2−1 使用空中写真一覧表

表2−2−2 使用空中写真一覧表

B地表踏査

文献調査や空中写真判読の結果をふまえて、断層変位地形や段丘の分布、地形形状などを確認するために地表踏査をおこない、ストリップマップを作成した。また、殿田断層の分布地域のうち、瑞穂町から丹波町にかけての地域は、主に段丘上やそれを下刻した谷部において民家や耕作地による人工改変が進んでおり、断層活動による変位地形が不明瞭になっている。そのため、米軍が1945年に撮影した1/10000縮尺の空中写真を用いて航測図化(1/2500)を行い、人工改変が比較的少ない時期の地形を把握することとした。さらに、丹波町志和賀から八栄にかけての地域は圃場整備がおこなわれており、国土地理院(1975)による1/10000縮尺の空中写真を用いた航測図化(1/2500)から地形改変前の地形を把握した。

C断面測量

既存の資料では、殿田断層の曽根地区(丹波町)では、高位段丘面上に低断層崖が報告されている。この低断層崖を中心に断面測量を実施し、高位段丘面の最大高度差を求めた。