2−2−1 調査結果の概要

(1)第1回委員会(平成16年6月3日)

参加委員:岡田委員長、東郷委員、竹村委員、吉岡委員、堤委員

・今年度の調査計画について協議し、空中写真判読などをおこない、現地状況を十分把握した上で調査計画を決定することが確認された。

・物理探査(P波、S波)の実施について協議がなされ、実施の可否について再検討すべきとの意見が交わされた。

・空中写真や詳細な地形図を収集し、検討すべきとの意見が交わされた。

・既存文献、空中写真、地形図などを収集した上で、調査計画について協議することが確認された。

(2)第1回WG(平成16年7月10日)

参加委員:岡田委員長、植村副委員長、東郷委員、吉岡委員、堤委員

・空中写真判読の結果を報告し、段丘区分等について検討した。

・物理探査について議論が交わされ、周囲の地形、地質状況から判断し、P波・S波探査に変えて高密度電気探査を実施することが決定された。

・トレンチ調査の調査候補地点を選定した結果、八栄東地区、八栄地区、中台地区が候補に挙げられた。

・三峠断層では、新しい変位地形が唯一確認されている、既往トレンチ箇所を中心に調査をおこなうのが有効ではないかとの意見が交わされた。

・今後、現地で変位地形の確認と調査候補地点の確認を行なうことが決定した。

(3)第2回WG(平成16年8月5日〜6日)

参加委員:岡田委員長、植村副委員長、東郷委員

・現地にて調査手法と調査位置について協議された。

・殿田断層は最新の活動履歴を求めるためにトレンチ調査を実施する。トレンチ調査の優先順位は、@八栄東地区、A八栄地区、B中台地区とされた。

・殿田断層の八栄地区、八栄東地区では、断層の両側で谷と直交方向に高密度電気探査を実施し、断層による谷の横ずれ変位量を試算することが決定した。

・丹波町から瑞穂町では、地表面の人工改変が見られることから、米軍(1945)の空中写真を用いた検討を行なうことが決定した。

・殿田断層の曽根地区では、谷の埋積による新しい堆積物が堆積していることからボーリング調査の実施が提案された。

・三峠断層の既往トレンチ調査箇所で、近傍にある断層露頭とトレンチおよび段丘上に見られる凹地について、測量とピット調査により、その関連を把握することが提案された。

(4)第3回WG(平成16年12月23日)

参加委員:岡田委員長、植村副委員長、東郷委員

・現地にて、調査の経過報告と今後の調査計画について協議された。

・殿田断層の八栄東地区で計画されているトレンチ調査は、断層位置の詳細な特定が困難なことから、南北に長く掘削するのが望ましいとの意見が出された。

・殿田断層の八栄地区で計画されていたトレンチ調査は、地権者の同意が得られなかったためにその他の追加調査とあわせて取り止めとすることが決定した。

・殿田断層の曽根地区では、追加で群列ボーリングを実施し、沖積堆積物の分布を調査することが決定された。

・殿田断層の中台地区で計画されていたトレンチ調査は、沖積堆積物の詳細な分布を調査してから、実施について再検討することが確認された。

(5)第4回WG(平成17年1月30日)

参加委員:植村副委員長、東郷委員、吉岡委員

・トレンチの掘削完了に伴い、現地にて今後の調査計画について協議された。

・トレンチでは、礫層に明瞭な変位が確認されなかった。断層位置がより南側を通過する可能性を消すために、本トレンチの脇で試掘孔を掘削することが決定した。

・殿田断層の中台地区では、既存のピット調査に加えて、追加のピット調査を実施し、推定される断層の両側の堆積物を比較することが決定した。

・三峠断層の質美地区で実施されたピット調査から、段丘上の凹地の両側では、同質と考えられる礫層が分布していることが確認された。

(6)第2回委員会(平成17年3月9日)

参加委員: 岡田委員長、植村副委員長、東郷委員、吉岡委員

・本年度に実施した、各地域での調査結果の報告がなされ、以下の事項についてご指導いただいた。

1)八栄東地区のトレンチ結果について、調査結果をふまえて考えられる事項を整理すること。また現在の解釈は、既存の世木林地区との活動履歴に差が生じるため、トレンチと断層通過位置についての検討を加えること。

2)曽根地区の群列ボーリング結果について、調査結果から導きだせる解釈をまとめること。

3)曽根地区周辺のストリップマップについて、段丘区分と表層地質とを区別すること。また断層通過位置などについてはもう一度見直すこと。

4)中台地区では、調査結果だけでは状況証拠に欠けるため、より検討を加えること。

5)質美地区での谷の屈曲量は、基盤のものと段丘のものを分けて整理すること。