5−1−1 F1断層

F1断層は反射法地震探査の馬路測線,河原林測線および保津測線の長さ約3km区間で確認した。F1断層は山麓線から0.5〜1.5km前縁(西側)の盆地内に位置する。地表面ではF1断層の活動による直線的な変位地形は認めがたく,F1断層は盆地内の伏在断層として位置づけられるが,この断層線より北東側にのみ段丘面が発達することから,全体として見た場合には浸食を受けた変位地形の存在を暗示している。

F1断層は馬路測線と河原林測線では基盤岩上面に断層変位を与え,大阪層群相当層には撓曲変形の構造が認められる。一方,保津測線では基盤岩と堆積層の境界をなす断層として現れる。F1断層による変位量は河原林測線ではB反射面(Oda火山灰,420−450kaを挟む)で約65m,C反射面で約100m,D反射面で約115m,E反射面(基盤岩上面)で約160mであり,断層変位に累積性がある。