(3)断層による変位や変形構造

地表面のCMP270〜320にはF1断層が分布し,CMP410付近にはF2断層が分布する(図4−1−3)。なお,河原林測線で確認されたF3断層は馬路測線では確認できなかった。保津測線付近ではF3断層はさらに東側に分布すると考えられる。

a) F1断層

F1断層は基盤岩と堆積層との境界をなす東側隆起の低角度逆断層で,基盤岩上面に約270mの変位を与えている。B〜D反射面はF1断層の下盤にのみ分布し,上盤側には分布しない。F1断層によりA反射面より下位の地層は変位を受けているように見えるが,A反射面より上位の地層は変位を受けているか受けていないか判断できない。

F1断層は基盤岩と堆積層との境界部では中角度の断層として現れるが,堆積層中では低角度断層になるように見える。F1断層は幅100〜150mの断層として図示したが,これは断層面が明瞭な反射面としてとらえられず,断層の正確な位置が特定できないためである。

b) F2断層

F2断層は東側隆起の中角度逆断層で,基盤岩および堆積層中に数〜10mの変位があるとみられる。反射法地震探査の調査・解析精度を考慮すると,A反射面がF2断層により変位を受けているか受けていないか判断できない。