(1)反射面の分布

河原林測線では明瞭で連続性のよい反射面として上位から順にA反射面〜E反射面の5つの反射面を確認した(図4−1−1)。

a) A反射面

A反射面は標高70〜90m付近に分布し,ほぼ水平であるがCMP1,010付近より山地側ではやや連続性に乏しく山地側に向かって序々に分布高度を増す。また,CMP690〜720付近ではわずかに膨らんだ構造を示す。

b) B反射面

@CMP0〜350

CMP0〜350では標高−10〜−30m付近に分布し,緩く東に傾斜する。

ACMP350〜960

CMP350〜960ではCMP450付近を背斜軸とする非対称な背斜構造をなす。背斜軸の西側では西に向かって急傾斜し,背斜軸の東側では緩やかに東に傾斜するが,CMP700〜720ではわずかに膨らんだ構造を示す。

背斜軸の頂部にあたるCMP450付近では標高30m付近に分布し,CMP450〜960では標高30〜0mに分布する。

BCMP960〜1200

B反射面はCMP960より東側では追跡できない。

c) C反射面

@CMP0〜350

CMP0〜350では標高−110〜−140mに分布し,緩く東に傾斜する。

ACMP350〜780

CMP350〜780ではCMP440付近を背斜軸とする非対称な背斜構造をなす。背斜軸の西側では西に向かって急傾斜し,背斜軸の東側では緩やかに東に傾斜する。ただし,CMP370〜400ではB反射面は追跡できない。また,CMP700〜780では明瞭な膨らんだ構造を示す。

背斜軸の頂部にあたるCMP440付近では標高−40m付近に分布し,CMP440〜780では標高−40〜−90mに分布する。

BCMP780〜830

CMP780〜830では標高−90m付近にほぼ水平かわずかに西に傾斜して分布する。

CCMP830〜1200

C反射面はCMP780より東側では追跡できない。

d) D反射面

@CMP0〜60

D反射面はCMP60より西側では追跡できない。

ACMP60〜370

CMP60〜370では標高−150〜−180m に分布し,緩く東に傾斜する。

BCMP370〜400

D反射面はCMP370〜400では追跡できない。

BCMP400〜780

CMP400〜780ではCMP440付近を背斜軸とする非対称な背斜構造をなす。背斜軸の西側では西に向かって急傾斜し,背斜軸の東側では緩やかに東に傾斜する。また,CMP700〜780では明瞭な膨らんだ構造を示す。

背斜軸の頂部にあたるCMP440付近では標高−70m付近に分布し,CMP440〜780では標高−70〜−120mに分布する。

CCMP780〜920

CMP780〜920では標高−120〜−100mに分布し,緩く西に傾斜する。

DCMP920〜1200

D反射面はCMP920より東側では追跡できない。

e) E反射面

@CMP0〜400

E反射面はCMP0〜400では標高−150〜−280mに分布し,ほぼ一様に東に7°程度傾斜する。

ACMP400〜890

CMP400〜890ではやや凹凸があるものの,標高−110〜−160mに分布する。CMP710付近には比高差10m程度の東側隆起のズレがみられる。

BCMP890〜1010

CMP890〜1010では標高−120〜−60mに分布し,西傾斜する。

BCMP1010〜1110

CMP1010〜1110付近では西側から追跡してきたE反射面は不明瞭となる。標高−60〜0m付近に分布し,その東側では連続して追跡できない。一方,東側から追跡してきたE反射面はやや不明瞭な反射面となる。標高90〜110m付近に分布し,その西側では追跡できない。

このように西側から追跡してきたE反射面と,東から追跡してきたE反射面はCMP1010〜1110付近で不連続となり,高低差100mを越えるズレがあるようにみうけられる。

BCMP1110〜1200

CMP1110〜1200では標高110〜130に分布し緩く西に傾斜する。