(3)低地

低地は氾濫平野1面(fp1面),氾濫平野2面(fp2面),閉塞低地(cl面)に区分した。

a) 氾濫平野1面(fp1面)

氾濫平野1面(fp1面)は桂川により形成された地形面で,保津から河原林にかけて幅数100m,長さ約1.5kmの範囲に分布する。分布標高は89〜93mで,1/450程度の傾斜で緩く南に傾斜する。本地形面は東北東ではL1面と直線的な段丘崖で接し,扇状地面に覆われる。東西・南北方向の条里がよく保存されている。

b) 氾濫平野2面(fp2面)

氾濫平野2面(fp2面)は桂川の東南東(左岸側)に数100m〜1km程度の幅で広がる。分布標高は87〜100mで,1/400程度の勾配で緩く南に傾斜する。L1面,L2−1面(保津),L2−2面(馬路),cl面,およびfp1面を浸食し,af面に覆われる。旧河道や自然堤防が網目状に分布する。所々に東西・南北方向の条里制が残るものの,旧河道や自然堤防により分断されており,条里の保存はあまり良くない。

c) 閉塞低地(cl面)

閉塞低地(cl面)は馬路地点で,@山麓部の扇状地面(af面)とL1面(馬路)に挟まれた幅約200m,長さ約1kmの区間と,AL1面(馬路)とL2−2面(馬路)に挟まれた幅約300m,長さ約1.7kmの区間,に北北西−南南東方向の帯状に分布する。分布標高は96〜103mで,1/200〜1/300の勾配で緩く南に傾斜する。