(1)概要

(1)原理

地球には双極子型の磁場がある。この磁場は強さや極性、そして自転軸との角度を時と共に変えている。磁場は火山岩や堆積物が生成する時に取り込まれ、保存される。従って、火山岩や堆積物を測定することで、過去の磁場はわかる。

地磁気の方向は偏角と伏角で表す。この偏角と伏角の変化は、変化する時間の小さい順に、永年変化、エクスカーション、逆転の3種類がある。過去の地磁気の逆転については世界中で調べられ、古地磁気層序の指標として使われる。

現在から約79万年前まではBrunhes(ブリュンヌ)と呼ばれる正磁極帯期で、大阪層群Ma4より上位の地層は正磁極帯を示す。一方下位の地層はMatsuyama逆磁極帯期に堆積したことから逆帯磁気を示す。

(2)試料採集と測定方法

古地磁気は試料の磁化からその地点における偏角・伏角が計測できるように定方位で採取される。試料(堆積物)はプラスティツクキューブに採取する。酸化を防ぐため、蓋をして密閉する。キューブの立体位置がわかるように方位などを記入する。

初生的な偏角・伏角を取り出すために、粘性残留磁化などの後生的な磁気(ノイズ)を段階的に交流で消磁する。その後、微量な磁力を計るため極低温状態での超伝導磁力計を用い、偏角・伏角を測定する。

(3)測定機器

神戸大理学部兵藤教授の指導で、神戸大理学部地球惑星科学教室所有の古地磁気測定機(超低温超伝導磁力計)で測定を行った。