(1)概要

(1)原理

火山噴火で放出された軽石、火山灰、火砕流の内、大規模に噴出した火山灰は広範囲に分布し、追跡も可能である(火山噴出物をテフラと総称する)。地質学的には噴出の期間は短いことから同時間面を追跡できる有効な鍵層となる。個々の火山灰には岩石学的な特徴がある。国内で広範囲に分布する火山灰は、その特徴の識別から、噴出源の火山、火山灰分布範囲、年代などの研究が進み、広域指標テフラとして、カタログ化(42,43)が進んでいる。

本調査においては、断層変位基準である地層の堆積年代(層準)を決定する目的で、ボーリングコア試料を用いて火山灰分析を行った。

(2)分析実施機関

分析を古澤地質調査事務所に委託した。

(3)試料採取

広域火山灰の検出を目的に、T層及びU層を中心に試料を採取し分析した。その結果を見て、U・V層を中心に追加試料を採取して分析した(表3−6−1)。

採取分析数は、64試料について火山ガラスの有無について分析した。さらに広域火山灰認定のため、20試料で含有鉱物組成比率測定や屈折率測定を行った。