2−1 既存資料調査の概要

本調査地域において、有用な文献の調査を行った。しかし、亀岡断層と神吉・越畑断層および殿田断層を記載している文献は数部しか確認できなかった。以上のことから、この周辺の活断層調査は近年ほとんど行われず、活断層の有無については論議されてはいるが、その活動間隔と変位量については全く理解されていない。

 また、1830年の天保地震について、その震源断層を特定することも含んでいる。京都府下の地震被害については古文書や古い手紙によって今に残っているものもある(図2−1)。中でも、本調査地域を震源とすると考えられる1830年の直下型地震は余震も併せて614回の地震が古文書の中に記されている。よって、トレンチ調査などの直接的な調査の他に、地震史料は活断層の履歴を明らかにするためにも極めて重要な役割を持っている(京都市防災会議専門委員会 他,1996)。

 当地震の記録について、記載されてあるものを重点的に選択し、文献リストを掲載する。さらに、既存のボーリング資料については本調査に有用なものについて、ボーリング柱状図として、掲載した。

筆頭者名 共著者

出版年

論文題目

雑誌名 巻 号 ページ

植村 義博

1990

京都盆地西縁の変動地形と第四紀テクトニクス

立命館地理学           2     37−56

吉岡 敏和

1987

京都盆地周縁部における第四紀の断層活動および盆地形成過程

第四紀研究           26 2  97−109

吉岡 敏和

1992

近畿地方北部のネオテクトニクス

地質調査所月報         43 1/2 87−90

池田 安隆

1987

断層露頭の剥ぎとり転写法

活断層研究            4      1987

小池 克明

1990

ボーリンク゛データヘ゛ースを用いた大阪・京都・亀岡盆地表層堆積物の層相解析

第四紀研究  29  5   395−404

茂木 透        見野 和夫

1985

近畿地方北西部地域の活構造(3)

地震    2−38       577−585

中田 高   岡田 篤正

1990

活断層詳細図(ストリップマップ)の作成の目的と作成規準について

活断層研究           8   59−70

西山団体研究グループ

1967

京都盆地西南部,西山山麓の大阪層群

地球科学  21  5    1−10

岡田 篤正

1982

むかしの「地形」を掘り起こす

科学朝日  42  8    135−140

岡田 篤正   岡田 篤正

1986

日本の活断層と地震

岩波書店    82−93

岡田 金也   三東 哲夫

1982

亀岡盆地西部周辺で発生している微少な誘発性地震群の震源面について

地震  35   2   621−623

戸倉 則正

1996

スプレー式接着剤を使用した地震剥ぎ取り方法

堆積学研究  43   83−84

国土調査

1980

土地分類基本調査,京都西北部

22−28

井上 頴纉

1969

亀岡盆地における大堰川流路変遷の復原

人文地理  21   6   91−100

地震調査所

1986

京都西北部地域の地質

京都  11   27   64−67

桂睦会

1967

京都市右京区越畑盆地の第四紀層

大阪層群総研連絡紙     2   18−22

植村 義博

1988

丹波高地西南部,三峠断層系の断層変位地形

地理評       61  453−468

京都府

1996

平成7年度京都府活断層調査

(財)日本地図センター

1996

1:25,000 都市圏活断層図Z 近畿地方北部地区 1 京都北西部

亀岡市

1995

2 亀岡市の地形分類図

新修 亀岡市史 資料編第四巻付図