(2)地形・地質調査

空中写真判読の結果からは、山麓に沿って明瞭なリニアメントとして認識される。大峯〜益城町田中間は確実度の高いリニアメントであり、大峯から北部は確実度は低くなる。このリニアメントは 1 条でほぼ連続する。下陳〜田中間では分岐し、2 条が並走し、畑中付近で再び 1 条となる。

この他のリニアメントとして、北甘木断層に相当するものが確実度の高いものとして 識別される。しかし、木山川右岸の木山断層は判然とせず、リニアメントとして識別されない。

地質調査の結果では、既往文献によらない断層露頭を益城町平田付近等で 3 ヶ所見出し、また、益城町杉堂で 1ヶ所 既往報告箇所を確認した。

布田川断層帯は長陽村立野から西原村布田を通り、益城町砥川に達する一連の断層で、その西方延長は断層の走向から北甘木断層とした。断層の総延長は 23.5 km に達し、断層は右横ズレをともなう正断層である。なお、益城町下陳から益城町畑中間は布田川断層が並走する 2 条の断層に分岐するため、北側断層、南側断層とに区別した。

木山断層は確認されなかったが、電磁探査ではその分布を示唆する結果を得た。

地質層序は、既存報告書の層序に準じた区分を行った。