3−2−1 北部田地区

図3−2−1に示すように、北部田地区では、娑婆神峠より北北東〜南南西方向へ延びるリニアメントが、平野部に入り不明瞭となる。このリニアメントの延長部で実施したボーリング調査の結果を、図3−2−1−2の地質断面図に示す。ここでは有機質土が深度3m〜7m間に2層水平的に分布し、その堆積年代は、14C年代測定により上部層で15,910±80年、下部層で29,060±300年の値が得られている。ボーリングB−2〜B−1間(断面A−A')は、リニアメントの通過延長と想定していたが、この区間には大きな変位は認められていない。一方、ボーリングB−3〜O−1〜B−4間(断面B−B')では、有機質土の分布深度から変位が生じていると想定可能である。その場合、変位量は1m程度と推定され、リニアメントは旧来の水田土手に沿ったものであると予想した(図3−2−1−1参照)。

なお、この地点でのピット掘削による調査は、@湿地であり、重機の搬入が困難である、A水田であり、地主の了解が難しい、等の事情により断念した。

図3−2−1 地質平面図

図3−2−1−1 北部田地区平面図(Sc=1/1,000)

図3−2−1−2 北部田地区地質断面図