2 文献調査

以下収集した文献資料のリストを示す。

@ 地形地質・地震関係資料

  1.活断層研究会(1991)新編日本の活断層−分布図と資料−,東京大学出版会

     82 剣山  87 高知

  2.金子明子(1978)室戸半島の完新世海成段丘と地殻変動,地理学評論,51,451− 463.

  3.甲藤次郎・阿子島功(1980)室戸半島の沖積世の地殻変動,四万十帯の地質学と 古生物学−甲藤次郎教授還暦記念論文集−,1−15.

  4.前杢英明(1988)室戸半島の完新世地殻変動,地理学評論,61,747−769.

  5.前杢英明(1992)西南日本外帯南部の完新世地殻変動,第四紀研究,31,5,285−296.

  6.満塩大洸(1991)室戸岬(M)面は中位段丘に非ず,中川久夫教授退官記念地質学論文集,161−168.

  7.満塩大洸・加賀美英雄(1992)四国の第四系,第四紀研究,31,5, 297−311.

  8.岡村行信(1990)四国沖の海底地質構造と西南日本外帯の第四紀地殻変動,地質学雑誌,96,223−237.

  9.酒井治孝(1986)室戸半島行当岬の海成段丘−室戸岬面−を切る西寺断層,活断 層研究,2, 65−72.

  10.酒井治孝(1987)室戸岬面の陸側段丘崖基部を切る盲道谷断層,活断層研究,4,

     47−54.

  11.須鎗和巳・阿子島功・栗岡紀子(1971)室戸地域海岸段丘の再検討(第1報),徳島大学教養部紀要,自然科学,4, 19−34.

  12.須鎗和巳・阿子島功(1975)室戸半島の地殻変動について−地殻変動の不等速性について−,徳島大学教養部紀要(自然科学),8, 43−49.

  13.沢村武雄(1951a)南海大地震と地殻変動,高知大学研究報告(自然科学),1,

     20−33.

  14.沢村武雄(1953)西南日本外帯地震帯の活動と四国およびその附近の地質,地盤運動との関係,高知大学学術研究報告,2, 15, 46p.

  15.沢村武雄(1954)続,西南日本外帯地震帯の活動と四国およびその附近の地質,

    地盤運動との関係,高知大学学術研究報告,3, 9, 6p.

  16.吉川虎雄・貝塚爽平・太田陽子(1964)土佐湾北東岸の海岸段丘と地殻変動,地理学評論,37,627−648.

A 調査法

  17.岡村 眞・松岡裕美(1995)堆積物をとる−新しい堆積物採取法の開発と運用手順 −講座文明と環境 Vol.1地球と文明の周期,朝倉書店,p105−114.

B 防災関係資料

  18.大阪府(1996)新大阪府地域防災計画,地震被害調査報告書概要

C ボーリング調査資料

  19.県道仁井田竹中線地質調査委託業務 報告書 平成2年8月 高知土木事務所

     調査ボーリング 2カ所(20m,45m) 標準貫入試験 室内土質試験

  20.県道仁井田竹中線地質調査委託業務 報告書 平成2年3月 高知土木事務所

     調査ボーリング 1カ所(44m) 標準貫入試験44回 室内土質試験一式

  21.県道仁井田竹中線地質調査委託業務 報告書 平成2年9月 高知土木事務所

     調査ボーリング 4カ所(8m,16m,9m,9m)標準貫入試験 室内土質試験

  22.県道仁井田竹中線地質調査委託業務 報告書 平成2年9月 高知土木事務所

     調査ボーリング 4カ所(25m,36m,41.1m,42m)LLT 標準貫入試験

     土質試験

  23.建設省土佐国道工事事務所で実施された「平成8年度稲生地区地質調査業務」

     ボーリング資料 bP〜bU

以上の文献の中から仏像構造線および吉良川断層・行等岬断層に関する記載をまとめると以下の通りである。

 ・仏像構造線(延長16q)

活断層研究会(1991)は縮尺4万分の1の空中写真判読に基づいて,吾川郡伊野町八田から南国市里改田に至る地形的なリニアメントを認定し,確実度V(活断層の疑いのあるリニアメント)の活断層として図示した。このリニアメントは秩父帯と四万十帯を境する仏像構造線に沿っている。仏像構造線に沿ってはこの地域以外にも,香美郡香我美町山北から中西川に至る約5qの区間が確実度Vの活断層として認定されている(活断層研究会,

1991)。甲藤ほか(1983)は既存のボーリング資料に基づき,高知市深谷町を南北に横切る地質断面図を作成し,仏像構造線が北落ちの活断層である可能性を示唆した。

  文 献

甲藤次郎・西 和彦・平 朝彦・岡村 真・中野尊正(1983)高知平野地下の第四系ならびに地質災害について,高知大学学術研究報告(自然科学),32,p.111−150.

 吉良川断層・行当岬断層

 吉良川断層(延長14q)

活断層研究会(1991)吉良川の東の川に沿って直線上の谷や尾根鞍部が配列するとして,確実度U,活動度Cとして認定している。また前杢(1988)は,完新世の旧海水準指標か ら吉良川の東の川に沿う直線上の谷沿いに北東−南西方向の活断層の活動を推定している。

  行当岬断層(延長15q)

吉川他(1964)は,赤岡から室戸岬に至る海岸に沿う海成段丘の対比を行い,行当岬〜 室津間でM1面の高度の急変からこの付近に断層あるいは撓曲運動を予想している。金子 (1978)は,同地域で完新世の海成段丘の対比を行い,L1 ・L2 面において高度不連続 が認められるとして断層運動の存在を指摘している。活断層研究会(1991)は,以上の資料に加えて山地高度の高度不連続を認めて行当岬断層について確実度U,活動度Bとして 認定している。

  盲道谷断層(延長3q)

 酒井(1987)は,盲道谷川橋北の道路のり面に現れた断層露頭を記載し,盲道谷断層と呼び,M1 面をつくる海浜礫層を少なくとも1m変位させているとした。活断層研究会 (1991)は,この資料からこの断層について確実度T,活動度Cとしている。

  西寺断層(延長4q)

酒井(1986)は,金剛頂寺駐車場横のり面で断層露頭を記載し,西寺断層と呼び,M1段丘礫層を切る正断層であるとした。活断層研究会(1991)は,この資料に加え基盤山地の鞍部列を認めて確実度U,活動度Cとしている。