1 調査概要

神戸−阪神間の市街地が位置する六甲山地と大阪湾の間には,五助橋断層,諏訪山断層,甲陽断層などの活断層が存在し,これら活断層の活動により六甲山地や大阪湾が形成されてきたことは,すでに30年以上前にHuzita (1962)により指摘されていた。しかし当時わかっていたのは陸上に表れている活断層であり, 1995年兵庫県南部地震が発生するまで, 市街地から大阪湾にかけて伏在する活断層については, 詳しくわかっていなかった。

兵庫県南部地震以後, 地震の発生源となった活断層に着目し, 兵庫県, 地質調査所などの機関で反射法地震探査, 深層ボーリングをはじめ詳しい地形・地質調査が実施されその結果, 伏在活断層の位置や地下構造が概ね明らかにされたてきた (兵庫県,1996)。一方, 国土地理院では, 主に地形情報に基づいた活断層の再評価が行われ, 都市圏活断層図が刊行された (国土地理院, 1996) 。

神戸市では, これらの成果を実際の防災対策に役立てるためには, さらに詳しい調査を行い, 活断層の詳細位置と活動度を把握することが必要であると考え, 平成8年度と平成9年度の2年間にわたり神戸市地域活断層調査委員会(表1−1)を設けて調査を行 ってきた。平成9年度の調査位置と調査内容については,それぞれ図1−1表1−2に示した。

表1−1 神戸市地域活断層調査委員会委員(敬称略 順不同)

表1−2 調査内容・数量

図1−1 神戸市地域活断層調査位置図