(2)U層

U層は有機質シルト層・砂層であり、礫も混入している。トレンチ地点の地形面が段丘化した後に堆積した、フラッドローム層であると考えられる。

層相によって、本層を上から下にUa層〜Uc層に細分した。Ua層とUb層は、砂混じりの腐植質シルト層である。Ub層はUa層と比較して有機物の含有率が高く、色調も濃い黒色を呈する。Ub層の上面には、不規則な凹凸がある。しかしながら、この凹凸はUc層との境界には現れておらず、液状化による変形とは考えられない。Ua層・Ub層ともに、多くの炭化木片を含んでいる。Uc層は、腐植質の砂層である。まれに礫を含むが、下位のV層と比較して粒径は小さく、両者の境界明瞭である。Uc層とUb層との境界は漸移的である。

Ub層〜Uc層中には、弥生時代末期(3世紀)の布留式土器の破片が散在している。土器の鑑定は、栗山 伸司氏(北九州市教育委員会)による。