5−3−1 バイブロコアリング

コアリングの方法は、志井地区と同様である。計4地点でコアリングを行い、西側から、MB1(1.58m)・MB2(1.03m)・MB3(4.68m)・MB4(4.23m)の試料を採取した(MB1〜MB4;図5−3)。いずれも、赤色風化礫岩(基盤岩)に到達した。

岩相によって、上から第1層〜第5層に区分できる。第1層は、植物片を多量に含む軟弱粘土層であり、層厚は0.2〜0.35mである。最上部は、耕作土壌層(水田土壌)であると考えられる。第2層は、基底部に花崗岩質角礫を含み、上方に細粒化して緑灰色の砂質粘土となる。層厚は約0.5mである。第3層は、石英砂を主体とする明灰色砂層であり、花崗岩角礫を含む。層厚は約1.5mである。第4層は、変成岩の亜角礫を含む緑灰色砂質泥層であり、層厚は約0.7mである。最下部の第5層は、濃緑色〜赤褐色を呈する火山岩角礫からなる強風化層であり、層厚は0.8m以上である。本地域の第四系の基盤岩であると推定される。

MB3・MB4は、いずれも第1層〜第5層から構成される。これに対し、MB1・MB2では第3層および第4層が欠如しており、第1層・第2層が直接第5層を覆っている。第5層(基盤岩)の上面深度は、MB2とMB3との間で約2.8m食い違っており、この間に上下変位をともなう断層の存在が推定される。