5−1 上富野地区

本地域では、ロータリーボーリング(スピンドル型)を2本実施した(図3−21)。このうち西側のものをKB1、東側のものをKB2と呼び、それらの地質柱状図を図5−1に示す。

いずれのコアにおいても、上位から礫混じり砂質粘土、粘土質砂礫、基盤岩が認められる。最上位の礫混じり粘土は、黄褐色〜淡褐色を呈し、砂や礫が混入する不均質な粘土である。最上部は耕作土である。下位の礫層は、褐灰色〜淡黄褐灰色を呈し、礫が主体となる部分と細粒物が優勢となる部分がある。平均礫径は10〜50mm程度であるが、最大で70mm以上に達する。礫種は、砂岩・頁岩類を主体とすると思われる。基盤岩は淡黄色〜灰色を呈し、風化が激しく岩組織はほとんど認められない。細粒砂岩〜頁岩であると思われるが、岩種の正確な認定は困難である。

岩盤の分布深度は、KB1では 8.2m、KB2では14.3mであり、これらの間を小倉東断層が通過し、岩盤深度に約6mの変位を与えていると考えられる。岩盤直上に分布する礫層上面の深度は、KB1では3.8m、KB2では9.3mであり、礫層上面深度も岩盤深度とほぼ同程度の変位を受けている。