(3)母原(L3)

測線L3−1においては、測点25〜37の間に60Ωm以下の相対的に比抵抗の小さい領域が見られる。トレンチの観察によると測点31付近に断層が見られ、その西側には変質を伴った破砕帯が見られた(Y参照)。また、測点31付近から東側にほぼ水平に広がる80Ωm以上の高比抵抗層は礫層に対応することも明らかになった。破砕帯の比抵抗値はこの地区では志井地区よりも大きく、周囲との差は少ない。これは、破砕帯の変質度の違いや含水量の違いを反映しているものと考えられる。この地域においても断層を挟んで高比抵抗層の上面深度に2m程度の差が見られ、西側が上方に変位したと考えることができるであろう。このような比抵抗分布は志井(L2測線)とほぼ同様であり、地層の分布も似ており、断層活動様式も両地区で同様であると考えられる。

測線L3−2は、L3−1の西側の延長であり、L3−2測点0はL3−1測点70に対応している。この測線では、深度2m以下に厚さ2m〜5m程度の高比抵抗層が連続的に分布している。