3−5−1 上富野地区

北九州市小倉北区上富野周辺には、扇状地性の段丘面が発達している(図3−2)。本報告書では、この段丘面を、最終氷期以降に形成されたL面としたが、すでに述べたように、Aso−4の噴出・堆積以前に形成された古期段丘面に対比している研究もある(高津,1996)。段丘面の形成年代はいまだに判然としていないため、さらに検討を続ける。

小倉東断層は、L面を上下方向に約2m変位させており、西側が相対的に隆起している(図3−6a)。上富野地区(図3−21)は、小倉東断層の北端部付近に位置する。L面にはいくつかの開析谷が形成されているが、その谷底面には明瞭な断層変位地形は認められない。したがって、小倉東断層が通過すると予想される谷底を掘削することによって、断層変位を被っている地層とともに、断層変位を覆う地層も観察することができ、小倉東断層の最新活動時期を特定できると予想した。