6 結言

(1)都市部の高ノイズ下にも拘らず、バイブロサイス反射法調査により、地表からの深度が 3000 m を越える基盤(4.5 〜5.0 km/s層)までの地質構造形態がほぼ明かとなった。

(2)本調査測線の地下構造は、先第三紀層〜三浦層群の構造は起伏に富み複雑であり、また基盤岩中にはいくつかの小規模断層が想定できる事がわかった。しかしながら、浅部の地質構造を見ると上総層群堆積時期以降には、大きな構造運動/断層活動の可能性は少ない事がわかった。従って、立川断層の延長部を明確に示唆する場所を本測線上で特定することは、出来なかった。

(3)地表〜浅部上総層群中に反射波の乱れが認められる場所が3カ所あり、よ  り細部にわたる調査の必要性が考えられる。

(4)反射法で得られた基盤構造と屈折法から想定されていた基盤構造とは若干の相違があり、これを解決していく事は、今後の関東平野の基盤の構造形態/速度構造を理解するための重要な課題であろう。