2−5−4 トレンチ位置及び規模・形状

トレンチ調査に適合する条件としては、@活断層の位置がほぼ確実に決められること、A形成時代が新しい地形面あるいは地層が分布すること、B年代測定のための試料が得られやすい地層や地層の対比に鍵となるテフラがあると予想されることなどである。

No.1地点では、 既存資料調査・空中写真判読・現地踏査の結果から北武断層位置を求め(条件@)、さらにその位置が推定される沢の中心及びその両側で調査ボーリングを行って河成堆積物の構成と厚さ、年代測定試料の有無、基盤岩コア状況を確認した(条件AB)。

それらの結果からトレンチ位置はB1−2孔付近(図5−2−1)を最上流部とし、幅約20m、下流側へ長さ約25mのトレンチを決定した。ただし、トレンチ平面位置は、北武断層が右横ずれ断層でありトレンチ法面に断層が現れた場合、さらに西側へ追加掘削し横ずれ変位量などを追跡できる用地的余地を残すこと、また、用地・規模から想定される掘削可能深度に比べて河成堆積物が厚いため、北武断層と基盤岩及び河成堆積物との関係などが確認できることを考慮して、沢の中心よりやや左岸寄り(東寄り)とした。

トレンチを実際に掘削すると、河成堆積物に明瞭な断層は認められなかったが、南方へ地層のたわみが認められたため、県調査委員会の指導によりさらに南方へ追加掘削し断層の有無を確認することとした。トレンチの規模は、幅11〜22m、長さ約39m、深さ5〜6mとなった。

 トレンチ最終形状及び規模を表5−4−1図5−4−1に示す。

表5−4−1 トレンチ概要(No.1地点)

図5−4−1 トレンチ概要図(No.1地点)