ｔｉｔｌｅ

（２）地質
Ｎｏ．１トレンチ周辺の地質図を図５－１－１に示す。トレンチ周辺の山地および谷底平野地下に分布する地層は、泥岩や凝灰岩類などからなる葉山層群鐙摺（あぶずる）層および砂岩・泥岩などからなる三浦層群逗子層である。谷底平野にはこれらの基盤岩を被覆して完新世の河成堆積物が分布している。河成堆積物は、粘土・シルトや砂礫などから構成されている。また、丘陵斜面が谷底平野に臨む斜面には砂や礫などからなる崖錐堆積物が分布している。

基盤岩の内、葉山層群の鐙摺層は、北武断層の南側に“クサビ”状をなしてほぼ松越川沿いに谷底平野の地下に分布し、断層を介して谷底平野の左岸（南）には逗子層が分布する。鐙摺層はＮ６０ﾟ～７０ﾟＷの走向をもつが傾斜は不明である。全体に強破砕質で粘土化が著しい。鐙摺層の北縁を画する断層はトレンチで確認され、走向はＮ５２ﾟ～８９ﾟＷ、傾斜は３８ﾟ～４８ﾟＮで完新世の河成堆積物を切り、活断層である。一方、逗子層は北武断層の北側に分布し、Ｎ７０ﾟ～８０ﾟＷ、４０ﾟ～５０ﾟＮの走向・傾斜を示し、塊状の泥岩や極細粒砂岩を主体とする。鐙摺層の南側はＮ６０ﾟ～８０ﾟＷ、８０ﾟ～８８ﾟＮの走向・傾斜を示し、凝灰質砂岩・泥岩および凝灰岩などからなる逗子層が分布し、両層は断層で接するものと思われる。