(3)文献資料による北武断層帯の分布と活動性

活断層研究会(1991) によれば、確実度Tの北武断層の長さは8.5Km、確実度の低い北武断層西部を加えた北武断層帯の長さとしては12Kmとされている。

第四紀更新世後期以後の断層活動については、 最新活動時期は1000〜1500yBP(太田ほか、1991)、1,050〜1,250yBP(佐藤ほか,1994)、再来間隔は400〜2500年(太田ほか,1982、太田ほか1991)とされている。次に活動する時期や場所・地震の規模(マグニチュード)については不明である。

これら北武断層についての研究はいずれも断層の東半部で行われたボーリング調査、トレンチ調査の結果で、西半部ではそれらの調査は行われてない。

海域(東京湾)への延長については、北武断層の延長と思われる断層(海域断層)が既存地質図(地質調査所,1995)に図示されているが、本断層の陸域との連続性は不明である。また、音波探査記録(科学技術庁研究開発局,1996、データ提供;水路部) の再解析により、海域断層は北武断層帯から連続する活断層の可能性が高いが、確実な延長距離は不明である。