8 代台地西縁、高田地点の調査結果

千代台地西縁に連続する崖地形に関しては、断層崖であるという見解(Kaneko,1971:鈴木,1972:活断層研究会,1980;1991:太田ほか,1982:上杉ほか,1982:上本・上杉,1998:宮内ほか,2003)と、断層は存在しないという見解(水野ほか,1996:山崎・水野,1999)がある。2002年度には神奈川県が千代台地西縁の崖地形の成因を検討するため、高田地点でトレンチおよびボーリング調査を行った(図3−2−3)。トレンチではF−Zn(2500〜2800年前)を挟むシルト層が最大20°で西傾斜していたが、変位なのかアバットなのか判断できなかった。

2004年2月には高田トレンチの北西約300mで千代南原]V遺跡(図3−2−3)が発掘され、Kg(2900年前)を挟む沖積層と立川ローム層とが逆断層で接しているのが確認された。逆断層はNW−SE走向、30°南西傾斜であり、両側の地層とも逆転して急傾斜を示している(図8−1)。付近の遺跡でも多くの断層や割れ目が発見されている(上本・上杉,1998)。遺跡を見学した委員の議論では、遺跡の断層が起震性の断層か、否か、千代台地西縁の崖と関連があるか、ないか、双方の意見が出た。また、千代台地西縁の崖が活断層か否かの意見一致はみられなかった。