5−3 谷津B地点でみられた地層の層序と年代

ボーリング調査結果を図5−3に示す。谷津B地点は山麓緩斜面にあり、それを横切って比高3.5m程度の低断層崖が連続する。ボーリングは低断層崖の両側で1本づつ掘削した。低下側のYB−2孔では厚さ5mのローム層がみられる。ローム層中にみられる鍵層の年代は上本・上杉(1996)によるとY−137(約1.4万年前)、Y−133、Y−129(約1.4万年前)、Y−122、Y−121(AT=Y−188の直上)なので、深度5mで約2.2万年前と考えられる。山麓緩斜面を構成する地層はさらに下位であるが、未確認である。一方、隆起側のYB−1孔では、ローム層が深度7.5mまで続く。また、深度5.4m付近には傾斜35〜40°の小断層群がみられ(図5−6)、逆断層によってローム層が繰り返していると解釈される。谷津B地点は厚さ5m以上のローム層に覆われており、YB−2孔の基底は約2.2万年前になるが、緩斜面を構成する堆積物には到達していない。