4−4 トレンチでみられた断層

トレンチでみられた断層についてまとめたものを表4−2に示す。第2トレンチの東壁面に4条のE−W走向、N傾斜の断層群がみられ、山側から前面に向かってfe−1〜fe−4と呼ぶ。西壁面にも4条のE−W走向、N傾斜の断層がみられた。山側から前面に向かってfw−1〜fw−4と呼ぶ。fe−4はh層内で雁行しfe−4−2に連続する。これらは分岐して数は多いが第1トレンチでみられた断層の連続である(図4−2)。トレンチ内の地層を対比した結果、fw−3とfe−3はそれぞれの壁面で最も変位量が大きい逆断層なので連続する同一の断層と解釈する。

一方、南壁面には2条のN−S走向、E傾斜の逆断層がみられる。これらはトレンチ底を縦断し、低下側の東壁面の地層を隆起させている。しかし、fs群は北壁面ではみられず、fw−3の隆起側の西壁面と東壁面ではi2層、j層が連続するが、沈降側の東壁面と西壁面とでは露出する地層が連続せず、東側が隆起している。fs群はfe−3から枝分かれしていると考える(図4−2)。