2−3−2 千代東町遺跡

この遺跡は千代台地の東部に位置し国府津−松田断層にも近い。ここでは弥生後期の住居跡を切る地割れと古墳を切る地割れとが確認された(小田原市教育委員会,2001:写真2−1)。

 ・三ツ俣遺跡

一方、千代台地の南南東延長に位置する三ツ俣遺跡では、弥生中期の宮ノ台式遺構を伴う。その標高は約2mであり、その層準からは淡水性のケイソウ化石が報告されている(神奈川県立埋蔵文化財センター,1986)。大磯丘陵に分布する完新世の海岸段丘群の存在を考慮すれば、三ツ俣遺跡と大磯丘陵との間にある国府津−松田断層は弥生中期以降にも活動して、この高度差を生じさせたと考えられる。