3−5−1 断層変位による被害

南下浦断層が活動する際に発生する地震規模はM=7クラス以上で,2m前後の地表変位が生ずると想定されるため,各種構造物への影響が懸念される。特に断層周辺の構造物は,断層変位による直接的な被災が予想される。断層に近接する既設構造物は,耐震化や断層を避けた場所への移転が望まれる。また,新たに交通施設,港湾施設などの重要構造物を築造する場合は,活断層の影響を充分留意した位置の設定や構造設計を行う必要がある。

また,南下浦断層東部には小学校・中学校が位置している。これらの小学校・中学校は災害時の一時避難所に指定されていることを考えると,今後,修・改築などの適切な時期に,施設の耐震化や活断層を避けた建造物の配置などの改善策を施していくことが必要である。