(1)掘削方法

調査用地の境界を定めて杭打ちを行い、トレンチ掘削用地及び掘削残土置き場等の作業用地を設定した。また、調査用地内に部外者が無断で立ち入ることがないように、ロープ・フェンス等で調査用地の外周を囲った。

掘削用地が農耕地であったため、まず耕土だけを薄く剥ぎ取り、耕土とその他の掘削残土を別々に仮置きした。掘削に使用した主な機器を表2−5−1に示す。

トレンチ周辺の地下水位は、日向地区で深度1m、北金目地区で深度2mと浅く、掘削開始前にトレンチの周囲に釜場排水(2m四方の縦坑)を行った。さらに、トレンチ内の排水は、水中ポンプを用いて排水した。しかし、日向地区は、近接して民家が位置し、法面のスコリア質部から湧水が生じ、かつ軟弱粘性土のため、約1ケ月以上の掘削期間を要した。また、北金目地区は、用地上は問題ないものの、常時深度2〜3mの礫層から湧水があり、掘削中の降雨時にパイピングによる小規模な崩壊が数カ所で生じた。そのため、東側(E面)法面の成形が困難なため、観察等の調査作業は中止した。測量は、掘削開始前に、トレンチ周辺10m以上について縮尺1/200の平板測量による平面図作成及び三等水準測量と、掘削後のトレンチ形状の測量を行った。

表2−5−1 使用機器一覧表