(2)位置(決定の理由と経緯、掘削深度)

ボーリング調査は、地形・地質調査結果により、トレンチ掘削が可能な地区を選定し、伊勢原断層の中央部に位置する日向地区と、南部の岡崎・鶴巻地区,岡崎(駒形神社)地区、最南部の北金目地区の4箇所で行った(図2−4−1)。なお、日向地区は、ほぼ全域が遺跡の指定地にあたり、トレンチ調査の前に遺跡発掘調査を行う時間(通常半年〜1年)がないことから、指定されていない範囲を選定した(神奈川県文化財保護課の試掘調査は実施した)。

<日 向>伊勢原市日向

東側の丘陵地裾部から西側の扇状地(水田)にかけて、約10〜40間隔に5孔を掘削した。掘削深度は、ボーリング調査では、第三紀層の確認を目標に深度13〜25m、ジオプローブ調査では、9〜10mの礫層までとした。

<岡崎・鶴巻>平塚市岡崎・秦野市鶴巻

地層の対比(基準面の変位量)のために、断層東側の伊勢原台地上の下末吉面と西側の沖積面(水田)で、2孔を掘削した。ボーリング調査の掘削深度は、下末吉海成層(吉沢層)上面を確認するまでの18〜32mとした。

<岡崎(駒形神社)>平塚市岡崎:自社研究

断層東側の下末吉面(台地裾部)から西側の沖積面(水田)にかけて、約15〜30m間隔に5孔を掘削した。ジオプローブ調査の掘削深度は、武蔵野ロームを確認するまでの深度または沖積層では掘削可能な最大深度の20mとした。なお、岡崎(駒形神社)のジオプローブ調査は、自社研究の一環として実施した。

<北金目>平塚市北金目

最初に、浅層反射法の測線沿いの沖積低地(水田)で、東側から西側に約40〜60m間隔に5孔を掘削した。その後、反射法探査による、断層推定位置を中心にして、約6m間隔に7孔を掘削した。ボーリング調査の掘削深度は、立川礫層または下末吉ロームを確認するまでの34〜36mとした。ジオプローブ調査の掘削深度は、完新世海成層上面を確認するまでの14〜16mとした。