(4)探査作業の概況

@大深度反射法探査(S−1)

データ取得作業は、天候にも恵まれ、予定どおり完了することができた。これは、厚木市・伊勢原市を通して、事前に自治会組織への広報を行っておいたことと、発震測線の近隣住民へ事前にビラを個別配布しておいたことによる苦情といえるものは、一切なかった。しかし、振動の大きさにびっくりして、家から飛び出してくる場面が1度あった。

反射記録の中で、明瞭な反射イベントを認めることは困難であったが、これは、他の地域で実施した同種の調査と比較すれば、ノイズが大きかったためでなく、地層が乱れていることによる反射波自体の弱いフィールドであったと判断することができる。

A浅層反射法探査(S−2、S−3)

S−2は平塚市、S−3は伊勢原市・厚木市で実施したもので、S−1同様、事前の広報により苦情等もなく、予定どおりの現地作業で終了した。交通量の少ない道路上であり、ノイズ等の問題もなかった。

なお、S−2は完新世の海成及び陸成層が地表下に厚く分布しており、一方、S−3は立川ローム層が地表下に厚く分布する日向川扇状地面と丘陵地との移行部にあたっている。このような地下地質条件の相違から、S−2はS−3に比較して良好な探査結果が得られた。