航測図化は、以下のような手順で行った。

�@　基準点の選定

一般に、航空写真測量では、位置や高さの基準として、三角点や水準点を使用し、撮影前に対空標識の設置を行う。しかし、本作業で使用した写真は１９６１年の撮影で、このような準備作業を行っていない。そこで、既測の地形図（伊勢原市都市計画図）を用い、空中写真と照らし合わせて位置が明瞭に判読できる場所（道路交差点，家屋の角三角点等）を選定し、基準点として用いた。

�A　空中三角測量

１つのモデルにつき、下記のように６点のパスポイントを選定し、基準点を用いて空中三角測量を行った。

図２−２−１−１ 空中三角測量の要領

�B断面図の作成

定められた測線に沿って、ポイントごとの標高を解析図化機で読みとり、断面図を作成する。なお、本調査では、次のような仕様で作業を実施した。

　　・仕様機器：プラニコンプ　Ｃ−１００

　　・縮尺：縦１：５００，横１：２，５００

　　・ポイント間隔：１０ｍピッチ（明瞭な地形変化が見られた場合は、変換点の両側

　 　　　　　　　　を測定）

・測量精度：公共測量作成規定に基づく（�C参照）

�C測量精度

ａ）評定に使用した既存図（１／２，５００）の精度に起因するもの。

・標高点精度 ±Δｈ／３　以内（Δｈ＝主曲線間隔）

＝±６７ｃｍ

ｂ）解析図化機の標定に起因するもの。

±０．５ｍ 以内

ｃ）計測較差

±０．４ｍ　以内

・絶対位置誤差＝ａ＋ｂ＋ｃ＝１．５７ｍ（鉛直方向）

・相対的位置誤差

ｃのみ（計測線内の相対的な標高誤差は０．４ｍまで許容される）

※実際には、０．２ｍ程度内

�D使用写真

国土地理院撮影（１９６１年年撮影、縮尺１：１５，０００）の写真を使用した。なお、米軍撮影（１９４７〜１９４８年撮影）の写真は、縮尺１：４０，０００で精度が悪いことから使用しなかった。