（１）活断層としての長さ

地表において第四紀後期に活動的であった部分を特定し、その延長を算出する。

（２）変位様式

長尾断層の変位様式を明らかにする。

（３）１回当たりの変位量

トレンチ調査などによって１回当たりの変位量を算出する。

（４）平均変位速度

地形層大地層の変位量から、第四紀後期における長尾断層の平均変位速度を算出する。

（５）第四紀後期の活動履歴

トレンチ調査などによって長尾断層の第四紀後期の活動履歴を解明する。

（６）地震の規模

松田（１９７５）の断層の長さ（Ｌ）もしくは１回当たりの変位量（Ｄ）と地震のマグニチュード（Ｍ）との関係式

ＭＬ＝（ｌｏｇＬ＋２．９）／０．６　Ｌ：活断層の長さ（ｋｍ）

ＭＤ＝（ｌｏｇＤ＋４．０）／０．６ Ｄ：断層の変位量（ｍ）

から、長尾断層から発生するであろう地震の規模を推定する（図４−１−１）。

（７）地震危険度

活動層の活動間隔（Ｒ）と最後の活動以降現在までの経過時間（Ｔ）から要注意断層かどうかを推定する（図４−１−２）。Ｔ／Ｒ＞０．５の場合に、要注意断層となる。

図４−１−１ 地震断層の長さ（Ｌ）と一回当りの変位量（Ｄ）とマグニチュードの関係（松田，１９７５）

図４−１−２ 活断層の活動履歴から要注意断層の推定方法