(1)地質構成

本トレンチに露出する地層は以下の通りである。

(1)耕作土

耕作土は黒褐色シルトからなり、30cm前後の厚さで地表に分布する。

(2)段丘堆積物

本トレンチの北側には、断層によって切られた段丘堆積物と断層を覆う砂層がそれぞれ分布する。各層の堆積面はほぼ水平であるが、断層付近では上方に曲げられ、断層運動 による引きずりが認められた。なお、下表に、段丘堆積物の層相を示す。

表3−5−2−1 堆積物の層相

(3) 基 盤 岩

【流紋岩(Ry)】

Ryは、熱水変質により脆弱化した流紋岩である。岩組織は確認できるものの、ハンマーで容易に砕くことができ、地表に近いところでは、植物根が入り込んでいる。東側壁面(E面)には、N55°E・75°SとN45°W・75°SWの走向・傾斜を示す節理が数条認められる。なお、流紋岩中に数条の断層が確認され、破砕帯およびその周辺には、風化の影響と思われる流紋岩の褐色化が認められる。

図3−5−5 三木町氷上宮下地点のトレンチ壁面スケッチ