3−4−4 ボーリング調査

田中地点では、リニアメントの北 8.5mにMT−2孔、 5.5mにMT−1孔、リニアメント直上にMT−3孔、リニアメントの南側 7.5mにMT−4孔を配置した(図3−4−1)。ボーリング調査による地質断面図を図3−4−4に示す。

リニアメントの南側では、LU段丘堆積物と考えられる未固結層は厚さ4〜 4.5mで、砂層、 砂質シルト層、 火山灰、腐植物混りシルト層、腐植土からなる。その下位には玉石混り砂礫、礫混り砂からなる三豊層群が分布し、 MT−2孔では、深度 9.3m〜10.6m間、深度11.0m〜 22.45m間に花崗岩、深度10.6m〜11.0m間、 22.45m〜25.0m間に三豊層群が認められる。したがって、上盤を花崗岩、下盤を三豊層群とする断層が深度11.0mと深度 22.45mの2箇所で確認できる。

一方、リニアメント直下およびその北側では、LU段丘堆積物と考えられる未固結層は厚さ約7mで、層相はリニアメント北側と同じであるが、断層の北側では腐植物混りシルト層が 1.5m程度厚い。また、最上位の厚さ 1.5mの砂質土はほ場整備による盛土である。三豊層群は深度7m以深に分布し、花崗岩は確認されない。

MT−2孔深度10.6mの断層とリニアメントを結ぶ断層面は南へ52°傾斜している。この断層面では、 三豊層群上面の不整合に約3mの高度差を与えており、一方、火山灰層、腐植土層上面では 1.5m程度の高度差となっている。上記の堆積面の高度差と層厚の違いから、本地点では2回の断層運動が考えられる。1つ古い断層運動は腐植物混りシルト層堆積中であり、新しい断層運動は腐植土堆積後である。

一方、MT−2孔深度 22.45mとMT−1孔深度19.2mを結ぶ線上のMT−3孔の深度13.65mには、傾斜50°で幅3〜5mmの細粒脈が認められる。この断層では、MT−3孔とMT−4孔間の三豊層群上面には地層のくい違いが認められないことから、三豊層群堆積後の活動がなかったものと考えられる。

図3−4−4 三木町田中地点地質断面図