(1)反射法地震探査の概要

弾性波の反射を利用した地質調査(反射法地震探査)は、必ずしも新しいものとはいえないが、現在の「デジタルデ−タ収録・処理」及び「CMP重合法」(後述)を基本とする反射法探査は、大型コンピューターが実用化した昭和40年代に入って生まれたものである。この探査法は従来の探査法とは比較にならない解析精度を持ち、主に石油の資源探査に利用され、昭和40〜50年代における石油埋蔵推定量の飛躍的な増加はこの探査方法無しでは実現しなかったと考えられる。反射法地震探査の主な特色は以下の通りである。

@堆積層など弾性波速度の変化を伴う地質構造であれば、観測された人工地震の反射記録を処理して、その地盤の断面図を作成することが出来る。

Aまた同時に、各地層の弾性波速度が求められる(速度解析)。

B容易に深い地層の探査が可能であり、また深部に低速度層・断層等がある場合でも解析出来る。

Cデジタルデ−タ処理のため、解析に個人の主観が入ることが少ない。