9−2−2 松林寺ボーリング

耕地整備工事現場の露頭ではL段丘堆積物を切断する断層が観察された。断層の上位にある土壌層から710±60y.B.P、1,480±70y.B.Pという年代値が得られたが、土壌層が切断されているか否かは判断できなかった。また、断層に切断されるL段丘堆積物の年代として20,310±410y.B.P、21,720±170y.B.Pが得られた。

一方、松林寺ボーリング調査結果から、深度1.2〜2.5mにはL段丘堆積物が連続して分布することが明らかになった。段丘堆積物最上部で約2.0万年前、段丘堆積物中部で2.6〜2.8万年前、段丘堆積物の頂面(L段丘面)は地表とほぼ平行して分布する。したがって、地表で計測された鉛直変位量8.5〜9.5mはおよそL段丘面の鉛直変位量とみなせる。一方、L段丘堆積物の基底には15m前後の高度差が生じており、変位が累積していることがわかる。