6−2 夏油川大露頭記載

岩崎新田近くの夏油川右岸には高さ約25m、長さ約500m以上にわたって段丘露頭が観察される(図6−6)。

最も下位には基盤の凝灰質砂岩がみられ、これは河床から約3mの高さまで局地的に露出する。

この凝灰質砂岩を不整合に覆って、上位に段丘堆積物が分布する。最も下位は円〜亜円の礫からなるルーズな青灰色〜黄灰色礫層で最大層厚が約8mである。

その上位には全体的にやや固結している礫層が厚さ約4〜5mで連続して分布する。この礫層は下位の礫層に比べて礫径がやや小さく、また円磨度も低いようにみえる。

この上位には約3m厚でパミス主体の火山性堆積物が連続して分布する。パミスは主に淡黄色〜黄灰色で亜円〜亜角、直径2〜10cmであり、まれに桃色や灰色のパミスが含まれることもある。

パミス層の上位は中礫層が数mで分布し、その上位には主に円礫からなるルーズな礫層が10mの厚さで堆積する。この層が最も上位の堆積物であり、この上を表土が覆っている。ただし局地的には、この礫層の上位に当時の斜面に堆積したと思われる見かけ上東側に約40゜で傾斜する淡黄色の凝灰質礫層が分布する。層厚は約1mである。

そのほかにも、ラミナが発達する炭化物混じりのシルト〜砂層や砂を基質とするルーズな礫層が局地的に分布するが、これらは露頭にへばりついているさらに新しい時代の堆積物と考えられる。