5−2 野崎ピット

野崎トレンチで得られなかった年代測定試料獲得のために、野崎トレンチ南側においてピット調査を行った(図5−2)。野崎ピットにおける地層は、上位から耕作土、A層、B層からなる(図5−6)。野崎トレンチのスケッチを図5−7に示す。

(1)耕作土

耕作土はピット最上部全体に分布し、A層をほぼ水平に覆う。腐植質黒〜黒褐色土からなり、基底部のA層との境界はあまり明瞭ではない。ロームを団子状に含んでいるところがある。

(2)A層

A層はピット上部全体に分布し、B層をほぼ水平に覆う。褐色〜赤褐色のロームからなる。東側の下部は砂質になり、ローム層の基底部にやや砂質な部分がある。ローム中には円礫が含まれる。また、橙色や黄白色のパミスが存在する。東側の砂質な部分の中には、レンズ状にトラフ型クロスラミナの発達する淘汰のよい細〜中粒砂が挟まれる。A層の基底部の走向・傾斜はN9W10E(N2.7,D1.3)である。

(3)B層

B層はピット下部全体に分布する。不淘汰礫層で最大径は約30cmである。円礫が大部分を占め、一部亜円礫を含む。基質は細〜中粒砂で少しローム質である。レンズ状に基質の少ない部分があり、その中では礫の分級は比較的よい。