2−2−7 照井一明・佐藤利美・茂庭隆彦(1993)

岩手県花巻市西部で見いだされた活断層北湯口断層(新称)の新露頭について.地質学雑誌,99.65−68.

<要約>

工業団地に出現した断層露頭(花巻市北湯口県立総合教育センター南方500m)を提示し、命名した。露頭位置、断面図および写真を添付している。

北湯口断層は、「新編 日本の活断層」(1991)の盛岡図幅の14aと14gに挟まれた地域の断層で、渡辺(1989)による北上低地帯中央部に位置し、渡辺ほか(1991)のFAF1とされた断層に相当するとしている。

北湯口断層は条線から2回の断層運動が認められる。段丘礫層である日詰礫層を切っており、その変位量を23.5mと推定している。日詰礫層の上位に重なる前沢火山灰層最下部のH2Pを切っていることから、(前沢火山灰層中の鍵層HNIPのフィッショントラック年代12.29±1.51万年)形成時期を10数万〜1 万年前の間と推定している。