11−1−5 撓みを含めた単位変位量の推定

北湯口トレンチ付近の地質断面図から、F1断層によるD層・E層の鉛直変位量は撓みも含めて約4mである。

北湯口トレンチにおけるD層とE層は、F1断層によって2回の断層変位を受けている。トレンチとその周辺には、断層活動に起因した幅200m程度の撓みが認められるため、撓みを含めたD層とE層の鉛直変位量は北湯口付近の地形地質断面図から、東低下約4mである。したがって、単位変位量(Dv )は2mである。断層面を30°と仮定すれば、単位変位量(Dn )は約4m となる。ところで、北湯口の断面図による変位量の計測では、原地形勾配を仮定しそれを延長して鉛直変位量を求めているので、どれを原地形とするかで変位量に幅が生じ、ある程度の誤差を含むものである。北湯口トレンチ付近の単位変位量(Dn )は3 〜5m程度の幅をもつ。