3−7−1 調査方法の選定

既存資料によると,坂尻地区の北部では卯辰山層や大桑層が西向きに傾斜しており,断層が伏在している可能性が推定されるが,中部から南部では走向傾斜の一定しない凝灰岩層となっており,断層の有無について議論できる情報は得られていない.また,断層が伏在していると推定される北北東から南南西方向に続く丘陵,平野の地形境界は,坂尻地区付近で南南東方向に向きを変えているが,それとは別に,南南西方向の扇状地面上に低崖ないし撓曲崖状の地形が連続している.これらの地形は北から連続する地形境界の方向と調和的であり,断層変位地形を示している可能性が推定される.これらのことから,坂尻地区ではまず周辺地域の地形・地質構造を把握する目的で地形・地質踏査を実施し,断層が伏在している可能性の高い位置を選定してトレンチ調査などの詳細調査を行うこととした.