4−5−1 最新活動時期についての検討

変位が確認された最新の地層は、梅田地区のトレンチ調査によって発見された。変位を受けている最上位の地層の年代は、遺跡発掘資料によると弥生時代後期後半、14C年代測定によるとB.C.45年前後の沖積層である。追加トレンチを行った結果、これより上位の地層には変形が認められなかったことから、変位の発生時期は「現在より約2000年前」と結論付けられる。

1799年の金沢地震に関しては、森本・富樫断層帯の活動を裏付ける直接的な証拠は得られなかったが、液状化の痕跡や古文書記録による被害の分布状況から森本・富樫断層帯周辺を震源とする地震が発生したことはほぼ確実である。