(6)地質構造の解釈

極浅層部反射法弾性波探査(小坂測線)によって得られた反射面の性質について、既存ボーリング資料や地質踏査データ等を加味して考察した。地質構造の解釈は、マイグレーション時間断面図に行った(図3−3−8)。

図3−3−8には標高−250mまでの断面が示されている。この図から以下の事項が読みとれる。

@測点 120mより起点側で標高 −40mより浅いところでは、反射面は凹凸を示しながらも全体的にはほぼ水平に連続しており、既存のボーリング資料から知られている沖積層の深度分布(地表から−45m程度まで)と調和的である。

A測点50 mより終点側で地下−50m付近より下部では、西傾斜35〜60゜程度の反射面が連続しており、地表の露頭で確認できる大桑層、卯辰山層の傾斜と調和的であることから、これらの層の層理面が反射面となっていると考えられる。傾斜した反射面は西から東に向かって傾斜が急になっていく傾向が見られる。

Bこれらの反射面を詳細に観察すると、起点から測点140m付近の沖積層には水平方向に反射面の不連続が数ヶ所で見出され、垂直的にもそれと調和的な反射面の不連続帯が深度 50 m付近まで樹枝状に発達しているように見える。それより深部では、卯辰山層・大桑層と考えられる反射面がすべて不明瞭ないし途切れる部分がどの反射面にも共通して現れる部分が連続的に深部までつながっていることから、ここに東傾斜約 50゜の逆断層(F1)を推定した。推定される断層の上部は沖積層と考えられる反射面まで変形させているように見える。

図3−3−8 地質構造解釈図(1/1,250)