(1)ボーリング調査・簡易ボーリング調査の概要

@目 的

ボーリング調査・簡易ボーリング調査は、平成8年度の極浅層部反射法弾性波探査(梅田測線)やボーリング調査から推定された主断層の位置において、その存在や詳細な位置、規模等を把握することを目的として実施した。

A位置の選定

平成8年度に行った極浅層部反射法弾性波探査(梅田測線)では、測線40mから110mの区間にかけて、地表より15m程度以深に反射面の不連続部が複数推定された。また、ボーリング調査においても反射法測線の80m付近で行ったB−1ボーリングと140m付近で行ったB−2ボーリングの間で、地下10m程度以深に位置する沖積層基底面が平野側に向かって数m低くなっていることが推定された。

これらのことから、断層の存在について検討しうる精度の地盤データを得るために、反射法測線の40mから110mの区間で集中的にボーリングを行い、平成8年度の調査結果を加えて沖積層基底面の深度変化や沖積層内各層の変化を詳細に把握することにより、森本断層の主断層やその活動履歴の解明を試みた。さらに、推定地質断面図の精度を向上させるために、比較的離れた位置のボーリング区間は簡易ボーリングで補完することとした。

調査位置を図3−2−1に、詳細なボーリング等の位置を図3−2−2に示す。

B調査期間

ボーリング調査および簡易ボーリング調査は以下の期間で行った。

着 手:平成 9年 12月 24日

完 了:平成 10年 3月 25日

C掘削仕様

本調査は「石川県土木部土質・地質調査共通仕様書」、当業務の図面並びに設計書及び特記仕様書にしたがい、以下の仕様で実施した。 図3−2−1 梅田地区調査位置図

図3−2−2 梅田地区調査詳細位置図

ボーリング調査(B−6〜7,深度23~35m)

掘削径:φ86 mm オールコアボーリング(オイルフィード式)

掘削数:2箇所 延長計 58.0m

簡易ボーリング調査(G−1〜7,深度9.6~20.4m)

掘削径:φ52 mm オールコアボーリング(ミニロータリーパーカッション式)

掘削数:7箇所 延長計 88.3m

年代測定

種 類:放射性炭素年代測定

測定数:3試料

また、ボーリング掘削に伴う土質の内訳は表3−2−1表3−2−2の通りである。

表3−2−1 ボーリング調査内訳表(単位:m)

表3−2−2 簡易ボーリング調査内訳表(単位:m)