(3)観測作業

(1)測量

反射法弾性波探査の観測に先立って測量を実施した。測量では、測線を設定し、受振点間隔が5mとなるよう受振点位置の測量を行い、杭の敷設またはマーキングを行った。これら受振点のうち奇数番の点を発震点とした。

反射法弾性波探査の観測作業では、以下に述べる受振器・ケーブルの設置作業、発震作業、データ収録作業を全測線にわたって繰り返し行った。図2−5−1−1に反射法弾性波探査の観測作業の概要を示す。また、巻末資料5に現地写真を付した。

図2−5−1−1 反射法弾性波探査の観測作業概要

(2)受振器・ケーブルの設置

図2−5−1−1に示すように、測量で設定した各受振点に受振器(ジオフォンストリングス、12連)を設置する。本探査の観測では、各ジオフォンの間隔を1m、アレイ長を11mとした。次に受振器とデータ収録器を専用ケーブル(CDPケーブル)で接続する。また発震時刻を知らせるために、震源からトリガーケーブルをデータ収録器に接続する。

(3)発震作業

重錘の落下点が測量で設定した発震点位置となるように起振車を移動し、重錘を高さ1〜2mまで引き上げる。落下点には、舗装面の保護のためウレタンマットを敷き、その横には重錘の落下を感知するトリガーセンサーを設置する。本部の合図を受け、重錘を落下させる。

(4)データ収録

観測本部では、発震点位置に応じて受振する96点の受振器を選択し、設定を行う。発震点の準備ができたら、受振点におけるノイズ状況をモニターする。そして、比較的ノイズの小さい時に発震点に連絡し、重錘を落下させる。重錘が落下すると、その横に置いたトリガーセンサーからの信号を受け、データ収録器が各受振器からのデータを収録する。観測者はそのデータを観察し、良好であると判断した場合、そのデータをハードディスクに保存する。同様に同一発震点において、4〜10回の記録を収録・保存した後、発震点を次の点に移動させる。このように同一発震点において収録した記録は、解析時に、ノイズを多く含んだトレースを削除した後に、スタック(垂直重合)した。

なお、本探査の観測では、観測地盤条件等を考慮して、測線の始点側(測点0m、疋田町側)から観測を始めた。原則として、発震点からの距離が最も近い受振点が10m、最も離れた受振点が485mとなるインライン展開とした。また測線の終端(測点1500m、神谷内町側)では、受振器の移動は行わない受振器位置固定のまま96チャンネルの観測を行った。