(4)簡易地形測量調査

(1)調査方法

浅野川から金沢市高尾にかけての市街地は露頭が少なく、直接的に地下の情報を得ることが困難であったため、市街地に分布する遷急点・遷緩点間の比高について、ハンドレベルによる簡易測量を行い地形状況の詳細な検討を試みた(付図4)。

(2)測量結果

森本断層・富樫断層の走向と調和的な方向に遷急点・遷緩点が帯状に連続して分布していることが明瞭に現れた。これらの帯は浅野川や犀川沿いの谷底平野などでは不明瞭になっているが、金沢市安江町−高岡町−香林坊、金沢市野町−弥生−円光寺にかけての段丘面が分布する地域では、比高5〜20m前後の傾斜地・崖となっており、周辺の緩傾斜地と明瞭に区分できた。傾斜地の分布は浅野川・犀川・伏見川などと直交する方向に連続していることから、河川によって形成された段丘崖とは考えにくく、変位地形である可能性が考えられる。